初めてフランス語を勉強する人にオススメの学習書・勉強法

最初は誰もが初心者です。私も大学入学時はまったくフランス語を勉強したことがありませんでした。
勉強していく中で、これは役に立った!後から見つけてこれが自分が初級の時持ってたら良かったかもと思ったものを紹介します。

初めてフランス語を勉強するみなさんの参考になれば嬉しいです。

目次
1. 辞書
2. 単語集
3. 教科書
4. 文法書
5. その他参考書
6. 勉強内容と勉強法

1. 辞書
辞書が必要だということは、いうまでもありません。とりあえず辞書で調べるというクセはつけておきたい技術です。紙辞書は引くのに時間がかかりすぎると思うかもしれませんが、グッとこらえて慣れるまでやってみると、このへんかなーって開いたページに探している単語が出てくるくらいまでに熟練してきます。
  • Le Dico ディコ仏和辞典(白水社)
    • 利点
      • 初心者に使いやすい。大学でフランス語を専攻したときにまず最初に進められたのが、この辞書です。私はもともと持っていたものを使ったので、これはメインでは使っていませんでしたが、参考のためにあとで購入してたまに使っていました。ネイティブチェックがしっかりしているのか、かなり自然でかつ現代的なフランス語なのではないかなという印象を持ちました。
      • そんなに重くない。(辞書にしては、という意味ですが…。)持ち運ぶにはまあまあいいんじゃないかなと思います。語彙数もしっかり入っているので、安心して使えます。外で勉強される方にはオススメです。
      • お手頃価格。新装版になってから少し安くなったようです。古い方は4千円以上したと思います(税込で)。前のでも、内容からしたらかなり安価だと思いますが、お手頃になるのは初めて学ぶ人には嬉しいですね。
    • 欠点
      • 欠点を見出すほどは使っていないのですが、固有名詞が少なめかな?と思いました。
  • ロワイヤル仏和中辞典(旺文社)
    • 利点
      • 語彙数。この一言に尽きる気がします。熟語や用法も細かく載っています。私は初心者の時からずっとこれを使用しています。専門的に勉強するつもりなら、最初からこちらの辞書が良いかと思います。(あとで買い換えるのはお金もかかるので。)
      • 細かいニュアンスも載っている。使い分けに迷う単語が出てきても、だいたい辞書に書いてあったのでわざわざ別途に文法書を引かなくていいのは使っててとても便利でした。
      • も便利。細かい違いが絵になっているものもあり、言葉だけではわからなかっただろうものも、理解できるので良かったです。
    • 欠点
      • 重い!っていうと、「そのくらいのものを持ち運ぶ気概のない学習者は云々…」という人がいますけど(そういう先生いたわ、そういえば)、重いものは重いんです。1.3kg(大学一年生の時に測った笑)。勉強する時、辞書だけを持っていくわけじゃないし。ノート、教科書、参考書、などなどたくさん持ち歩くとなるとやはり重いのは欠点ではないか?と思います。
      • たまに見つかる間違い…。名詞の性が間違っているのはいくつか見つけました。あとは、それ校正で拾えなかったの?みたいなのもちょっとあった気が。でも、まあ、これだけのページ数があるから仕方ないかなという気持ちです。版が重なるといいなぁと思う次第です。
  • あまりオススメしないのは…
    • 電子辞書:初級者にはオススメしません。そもそも高いし。例文と用例がバーっと目を通せない状態になっているものを使うのは初級の段階ではかなり不便です。(それ以降でも不便です。)辞書だけ重いものを何冊も持ち歩けません!という時にしか役に立たないと思っておくのがいいと思います。
    • プチ・ロベール仏和辞典・クラウン仏和辞典:単語数が少ないようです。個人的には使ったことはありませんが、探してる単語が載ってない!というのは界隈でよく聞きます。
高校などでフランス語がある場合や、大学の第2外国語で勉強する場合にはそこまでうるさく言われないと思いますが、中上級まで勉強するつもりだったら最初にどーんと投資をしてしまったほうが、後からの不安がなくていいかと思います。レベルが上がってくると仏仏辞典や類語辞典に手を出すこともあるので、仏和ばかりを買い換える余裕もなくなってきますしね…。

2. 単語集
単語集の意義とは?それは、効率よく初級の単語をまとめて覚えられるということだと思います。もちろん、外国語学部などの授業などで進めていく場合は、出てきた単語をすべて辞書で引いて、自分でノートにまとめるなり、お手製の単語帳を作るなりした方が断然良いでしょう。しかし、授業が週1、2回しかなかったり、独学だったりするとそこまでの覚えなきゃ!というプレッシャーを感じにくく、しかも進度がゆっくりなので定着が悪くなりがちです。

そこで、既存の単語集を使ってこれの中身はなにがなんでも全部覚えてしまわなくてはお話になりません、というプレッシャーを自分で作ることいいと思います。そうしてある程度単語を叩き込んでおけば、初級後半から中級にかけて文法に集中できるようになります。

  • 『1か月で復習するフランス語基本の500単語』(語研)
    • 価格 ★★★★☆ これ一冊だけにするならかなりお手頃。でも500語では足りないと思う人が、別途にもっと単語数が多いものを買うとなると高く感じると思う。
    • 単語数 ★★★☆☆ 500語はちょっと少ないかも。
    • その他 ★★★★★ きちんと整頓されていて良さそう。赤シートなど学習者への配慮も良い。CDがあるのはポイントが高い。

  • 『新装版 フランス基本単語集』(白水社)
    • 価格 ★★★★☆ 初級でしか使わないと考えるとちょっと高めだけど、覚えないことにはその先に進めないので、独学で勉強している人にはもしかしたら必要な投資かも。
    • 単語数 ★★★★★ 基本単語・熟語2400語。ちょっと多めなので、まず、色ずりされている単語から覚えるのが良い。
    • その他 ★★★★☆ 新書サイズなので持ち運びに便利。色刷りされているのも◎。CDがないのが難点。

  • 『仏検公式基本語辞典 3級・4級・5級』(朝日出版社)
    • 価格 ★★★★☆ 単語集だけと考えると高めですが、妥当な値段かと…。 
    • 単語数 ★★★★★ 合計1700語(5級が590語、4級が350語、3級が760語)。
    • その他 ★★★★☆ 過去問から集められているので、仏検を目標にしている人には◎。仏検を目指しているわけではない方は級の区分が煩わしく感じるかも。(結局全部覚えるので関係ないといえば関係ないが。)ページ数が322ページとちょっと多め。CDがない?

3. 教科書
語学学校に通うなら…
日本の語学学校に通う場合はそのクラスで指定されている教科書がメインで良いと思います。ただ、週1回の授業ではペースが遅いので、文法の問題集か答えが付いている教科書・問題集を自分でやって補っていく必要があるかもしれません。
文法書とその他参考書の項目を参考にしてください。

完全に独学するなら…
これが一番難しいです。自分とはある程度関係なく授業が進んでしまう語学教室や学校と違って、完璧主義の人はわからないところをじっくりやってしまい、ダラダラといつまでも初級に留まりがちです。わからないところがあっても、まあいっか、そんなもんだ、とさっさと先に進めることが大切です。
そうなると、あまり課が多くなくて、さっくり回せる教科書が望ましいです。また、独学ですので、日本語訳もしっかり付いていて、その本だけで完結しているものを選ぶといいでしょう。

  • 『コレクションフランス語〈1〉入門』『コレクションフランス語〈2〉初級』(白水社)
  

    • 価格 ★★★☆☆ 入門と初級で2冊必要というのは、人によってはマイナスポイントかも。しかし、段階を踏んでその都度達成感がある方が続けやすいことは確かなので、高すぎる!というわけではない。
    • その他 ★★★★☆ 基礎を学ぶには最良。特にCDが付いているのは◎。

  • 『ニューエクスプレス フランス語』(白水社)


    • 価格 ★★★★★ 練習問題もついていて、別途購入する必要がないのが◎。
    • その他 ★★★★★ 20課とかなりコンパクトで良い。ちょっと簡単すぎかなと学習者が思うかもしれない箇所もあるけど、活用などを覚えたりと付随する勉強が膨大にある中で、教科書の難易度はこれくらいがちょうど良いのかも。CDが◎。

個人レッスンを受けるなら…
語学学校に通う金銭的余裕がある方は、同じぐらいのお金で個人レッスンを受けた方が効果的だと思います。それはまた別の記事で詳しく書ければと思っています。

その時にオススメなのがこちらの教科書です。実際に初級の時に使っていました。
  • 『Conversation et Grammaire』

    • 価格 ★★★★☆ 文法の参考書が必要かもしれないという点で、これだけでは完結していないので。
    • その他 ★★★★★ 内容がすごく実践的です。最初から自分が会話で使えるような表現を学べるのはとても貴重だと思います。ただ、教室で扱うことが前提となっているので独学には全く向きません。初級文法が網羅されています。確か全部で22課ぐらいだったかな?オンラインで音声が手に入るのは◎。(近頃はCDを読み込むのでさえあまりしませんからね…。)


4. 文法書
初級に文法書は必要?あればいいけど、完璧主義の人は見ない方がいい、というのが私の意見です。あちらこちらに書いてある情報をくまなくやろうとするよりは、教科書に書いてあることをしっかりマスターしたほうがいいでしょう。文法書は中級に入ってからで構わないと思います。

もし、初級で一冊買うとしたらこちらがオススメ。

  • 『コレクション フランス語〈3〉文法』(白水社)



    • 価格 ★★★★☆ 文法書を買うよりはお手頃で、かなりよくまとまっている。
    • その他 ★★★★☆ 不規則なもの、時制の一致などのまとめがとてもわかりやすい。特に間接話法のところの図が良かった。これだけだと難しいと感じるかもしれないが、教科書と組み合わせることで、文法項目ごとに頭の中がスッキリ整頓される感じがする。


5. その他参考書
初級では、あれもこれも買う必要はありませんが、これは便利だと思ったものを紹介します。
  • 小幡谷 友二『フランス語単語力を本当につけられるのはこれだ!基礎養成編』(駿河台出版社)


    • 価格 ★★★★★ この内容で、この値段なら文句ありません。
    • その他 ★★★★★ フランス語検定を受けた時に、これと応用編を使って語彙を確認しました。覚えるというよりは、問題形式で定着させることがメインなのかなという印象を受けました。かなりオススメです。
    • ちなみに応用編はこちら…(仏検2級を受けた時に使いました。)


  • 『標準フランス語動詞変化表』(白水社) 


    • 価格 ★★★★★
    • その他 ★★★★★ もはや必須と言っても良いくらい。辞書の後ろにある活用表でももちろん代用できますが、持っていると何かと便利です。

6. 勉強内容と勉強法
入門〜初級では発音の基礎、各時制の動詞の活用とその用法、1000単語ぐらい、日常で使う表現、あとはいくつかおさえなければいけない文法事項(例えば間接話法など)ができるようになれば花マル以上かと思います。どんな時にどの時制を使うのかということと、動詞の活用、それから単語を覚えることが学習の中心になると思います。

この段階だと、子供向けのフランス語の記事を読んだり、学習者向けのフランス語を聞いたり…という楽しい段階には達しておらず、ひたすら教科書に向かうというちょっと退屈な勉強をすることになります。なので、なるべく早くこの段階を終わらせて、次に行こうという心持ちが大切です。

目安としては、他に外国語ができる人で1年以内、フランス語が初めての外国語という人は1年半以内ぐらいに初級を終わらせるのが良いでしょう。フランス語検定は年に2回実施されていますので、1回目で5、4級、2回目で3級を目指すぐらいのハイペースでやってしまって、中級をじっくり楽しく幅広くやった方が楽しいです。かなりハイペースですが、完璧を求めなければ可能です。

初級でやったことをちょっと忘れてしまっても、中級でしっかり復習・定着をすれば良いだけの話で、この段階ではとにかく、ああ、これはあそこのページを見れば良いんだ、あそこの項目を読めば良いんだとわかるように全体を把握することが重要です。

最初から完璧にはできないものだと思って、多少穴があってもどんどん先に進みましょう。わからないからといってじっくりと時間かけて1周するよりは、多少理解が不十分でも同じ時間かけて2周、3周する方が効果的です。

参考になれば嬉しいです。質問・コメント等お待ちしています。

また、私も教材を全部見たことがあるわけではないので、もし良い教材があったら教えてください!
チェックしてみたいと思います!

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