条件法・接続法強化週間④ ー『中級フランス語 あらわす文法』を読む(6章)ー【語学学習・フランス語】

フランス語学習の条件法・接続法強化週間第4弾です。
ルールは知っているけど、どこで使ったらいいの!?
…となりがちな、フランス語の条件法と接続法について私が勉強していくスタイルのブログです。

読者の皆さんも一緒に勉強しましょう!参加をお待ちしています。

今日は、東郷雄二『中級フランス語 あらわす文法』 という本の第6章「現実ではない世界をあらわす:条件法と接続法」を読みながら、自分が知らなかったこと、そうなんだ!と新しく学んだことをメモしていきます。

フランス語の条件法・接続法強化週間
序章:【フランス語・語学学習】条件法・接続法強化週間ー序章ー
その1:条件法・接続法強化週間① ー『現代フランス広文典』をよむ(条件法編)ー
その2:条件法・接続法強化週間② ー『現代フランス広文典』をよむ(接続法編・前半)ー
その3:条件法・接続法強化週間③ ー『現代フランス広文典』をよむ(接続法編・後半)ー

強化週間で扱う予定の本はこちら
目黒士門(著)『現代フランス広文典』
  第7章の条件法と接続法の記述の部分

東郷雄二『中級フランス語 あらわす文法』 ←今日の記事はココ
  6章 現実ではない世界をあらわす:条件法と接続法

曽我祐典『中級フランス語 つたえる文法』
  4章 事態にともなう状況を表す

西村牧夫『中級フランス語 よみとく文法』
  3章 否定から条件法へ
  7章 接続法の考え方

渡邊淳也『中級フランス語 叙法の謎を解く』
  第1章 条件法
  第2章 接続法

ちなみに、動詞の活用の勉強はこの本がオススメです。
新書サイズでコンパクト。持ち運びに便利です。



今日の勉強の目次(6章 現実ではない世界をあらわす:条件法と接続法)
 1課 現実モード、空想モード、思考モード ー法 (mode) とは何か
 2課 こうありえたかもしれない世界 ー条件法の世界
 3課 私のコトバと他人のコトバ ー条件法のもう一つの顔
 4課 まだ見ぬ秘書 ー接続法の世界




1課 現実モード、空想モード、思考モード ー法 (mode) とは何か

  • 著者は、直説法、条件法、接続法を選ぶために3つのボタンがあるようなゲームをしていると例えて話をしている。それによると…

     直説法=「現実モード」
     条件法=「空想モード」
     接続法=「思考モード」
   となる。

こうやって分けてもらえると確かにわかりやすいですね!
条件法の用法は…、接続法の用法は…と学ぶのとはまた違った整頓のされ方な気がします。

でもそれだとわかりにくいのが、Je pense que + ind. と Je suis heureux (heureuse) que + subj.

Je pense que + ind. の謎
例文(本の例文とは違います):Je pense que Marie va venir à la fête de mon anniversaire.
Je pense que なら「思考モード」のはずじゃん!!ってなるけど、作者によるとそれは、
「私が従属節の内容(que の中身)が現実だと考えている」という意味だから直説法(「現実モード」)になるそうです。

なるほど…?まあ、言われてみればそうかもしれない。

感情を表すときの従属節がなぜ接続法になるのか
例文(本の例文とは違います):Je suis heureuse que tu puisses venir à la fête de mon anniversaire.
これは、文が相手に伝えたいポイントが、従属節の内容(que の中身)じゃなくて、「うれしい」とか「かなしい」とかいう主観的感情だから、ということらしい。
だから、従属節の内容は「思考モード」の接続法を使う。

ふむふむ。確かにそう説明されれば納得…。かな?

最後に、「現実から遊離している」という点で条件法と接続法には似ているところもあるよねーという話でこの課は締めくくられていました。
例文が豊富でわかりやすいので、本当にこの本はオススメです。

文のこの部分を置き換えるとこういう意味になるということが丁寧に書かれている本です。

普通の文法書だと、一方では「条件法はこの用法があって、例文はこれ!」
他方では「接続法はこの用法があって、例文はこれ!」…

となっていて、条件法の例文と接続法の例文が全く意味的に違うもののことが多いです。
そうすると、実際それは似てるの?違うの?と繋がりが曖昧なまま…。

これは、そんな曖昧さを解消してくれます!

2課 こうありえたかもしれない世界 ー条件法の世界
この課で学んだこと:

  • 条件法には2つの顔がある:時制と法 (mode) 
  • 半過去で過去の非現実を表す。
  • 条件法を使って「私が今いるこの世界」ではない世界に置くことで、強調

半過去が過去の非現実を表すのがなぜかということが、条件法との繋がりで細かく説明してあります。
そもそも、Si + 半過去 → 条件法は、なぜそうなるのかというところまで説明がなされていて、面白いなぁなるほどなぁとなりました。
また、半過去と同じようなメカニズムで、大過去が「過去の非現実」を強調するという用法も紹介されていました。

時制は奥が深い…。

3課 私のコトバと他人のコトバ ー条件法のもう一つの顔
日本語でいうところの「〜によると…だそうだ」の意味を条件法で伝えるという話。
条件法で「今いる世界」と乖離されることで、「あの人はこう言っている、まあ、私はそうは思わないけど」というニュアンスが出せるそうです。
確かに!
これは、自分が書く時にも使えるなぁと思いました。

4課 まだ見ぬ秘書 ー接続法の世界
一般向けの書籍化と思いきや、意味論の話が出てきました。

この課で、面白かった点は bien que +subj. ではなぜ接続法を使うのかという説明部分。
可能世界と慣性世界という意味論の概念を使って説明しています。
慣性世界は、何か手を加えない限り、世界は一定の方向に進んでいくという考えです。
物理で習った「慣性の法則」と一緒ですね!

コップを倒せば、水はこぼれる…
一般向けの書籍なら、専門知識は出てこない…
といった世界です。

しかし、この関係が成り立たなければ、「コップを倒せば、水はこぼれる」慣性世界や「一般向けの書籍なら、専門知識は出てこない」慣性世界は壊れてしまいます。
つまり、「水がこぼれなかった」、「専門知識が出てきた」ことが現実におこってしまっている状態です。
そうしたら、「コップが倒れた」、「一般向けの書籍である」といった現実はどこに行ったらいいのでしょう?
このねじれを表すために出された解決策が、接続法の世界に追いやるということらしいです。

コップを倒したのに、水がこぼれない(ふたがしてあったから)
一般向けの書籍なのに、専門知識が出てくる

フランス語の譲歩表現はこういう理由で接続法を使うらしいという説明でした。


感想
言われればそうかも…という点が多かったです。
例文がたくさん載っていてここにまとめてあるメモよりははるかにわかりやすいので、ぜひご一読を!


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